小一時間ほどドライブをした頃
車は見慣れた道を走っていて
あっという間に
さっき創真クンが待っていてくれた場所に
車は止まった。

「はい!ちゃんと寝ろよ」

『うん!おやすみ。ありがとう』

‥まだ帰りたくない。
 まだこの空間に居たい。

初対面でそんな台詞を
言えるはずもなく

創真クンの顔は見ないまま
ドアを開け外に出る。

少し俯き加減でそのままドアを閉め
恐る恐る顔を上げると

やっぱり笑顔でこっちを見てる
創真クンと目が合って

帰りたくないのに帰らなきゃいけない
葛藤に負けそうになり
押し殺すように
無理やり手を振って歩き出す。

車の動く音を背中で聞きながら
家へと入った。

『なんか空っぽになった気分』

独り言を呟きながら階段を上がり
リビングのソファーに腰を下して

さっき別れたばかりの創真クンへの
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