とっても愛嬌のある笑顔が
こっちを向いている。

どうしていいか分からず
そのまま立ち尽くしていると

「オイデ,オイデ」っと
手招きをされ

車のドアを開け
『お邪魔しまーす‥』と言いながら
助手席へ乗り込む。



車内には

期待通り
湘南乃風の純恋歌が流れていて

芳香剤から放たれている
スカルプチャーの香水と同じ香りが
創真クンの放つ雰囲気とマッチしていて

なんとも言い難い
どこか不思議な空間を作り上げていた。



一瞬でこの空間が好きになった。

それと同時に
創真クンの事も好きになった。


‥正確には好きだと確信した。


あの高鳴る鼓動も
さっきまでの緊張感も

全て好き故の感情だったはずだから。


〝好きかもしれない〟から

〝好き〟へと変わった瞬間。