『着いたよ』

メールが届いたのは
予想範囲内の19分後。

いまだかつてない
眩暈がする程の緊張感に
戸惑いながら
必死に平常心を保つ。


静かに玄関の鍵を閉め外へ出る。

隣の月極駐車場に止まる
ワゴン車を見つけ

普段止まっていない車種だから
きっとあれだろう!と思いながら

1歩1歩,車へと近付く。


―コンコンッ。

助手席の窓を軽く叩くと

運転席に座って俯いていた顔が

こちらへ向く‥