「本命」という言葉に
思わず笑みがこぼれたのは
まぎれもない事実で。

意味深な言葉だけど
それでも嬉しかった。


この話題を
なんとしてでも
流してしまわぬように


私は再び
かまを掛けるような言葉を選ぶ。


『私も創真クンが〝本命〟って言ったら?』


こんな台詞が淡々と出てくる
自分に少し嫌気がさしながらも

誰に聞こえる訳でもないのに
高鳴る鼓動を必死に誤魔化すように

思いっ切り送信ボタンを押した。