だけどあたしの声はちゃんと届いたみたいで、神谷先生がこちらを振り向いた。



「……間宮?」



神谷先生が不思議そうにあたしを見る。



あたしは、たったと先生のもとへ駆けていった。



「先生……あの、ペンケース届けにきましたっ」



「……あ、俺それ忘れてたか。ありがとう、取りに戻らなくちゃいけない所だった」



神谷先生はそう言って、あたしに微笑んでくれた。