先生はそう言って、不意に立ちあがった。



「お前、教室に忘れものないか?」



唐突に訊かれ、一瞬迷う。



「あ、ないです!」



答えると、神谷先生はどこか不敵な笑みを浮かべた。



「んー、よし。じゃあ俺についてこい」



先生は歩き出した。