ーーー 「彼方くん!」 歓迎会が終わって、帰ろうと階段を降りていた俺を 呼び止めたのは、紛れもなく彼女。 走って追いかけてきたのか、少し息を切らせている。 「……あのっ、一緒に帰ってもいいですかっ?」 彼女は決して大きな声じゃないのに、 しっかりと俺の耳に届くのは、 彼女がまっすぐだからだろうか。 「……別に、どっちでも…」 俺と彼女は、本当に正反対だ。