「彼方くんも、大人になったんだねぇ」


「……航平ウザい」




俺はため息をつきながら、


頬杖をついて窓の外を眺めていた。


あの後も彼女は元気で、いつも通り笑っていて。


何もなかったように、過ごしていた。




「え〜っ、ここで須藤っちから歓迎の気持ちを込めまして、歌のプレゼントがあります」


「おい、調子に乗るなよお前たち」




目が笑っていない担任の表情を見て、


凍りつく祐介とカズ。


もちろん、その光景を見てクラスは


ドッと笑いが起きる。


彼女も、クラスメイトと笑い合って


楽しそうに過ごしていた。