中間テスト中は、嫌がらせをする隙がなかったが、中間テストも終わり、再び普段の生活へと戻ったのと同時に、嫌がらせも戻って来た。
―――またか。こう毎日やって飽きへんもんなんやな・・・・。
杏子は、怒りを通り越して、笑みさえも生まれていた。
それは、笑っているというより、何もかもが馬鹿らしくなったというような荒んだ笑みであることは自分でもわかっていた。
美穂も私の異変に気づき、テストの前から『何かあるなら話してね』と声を掛けていたが、杏子は『何にもないよ』と返していた。
その時の笑顔が作り笑顔だということは、美穂は気づいていた。
でも、何も言うことはできなかった。
美穂に言ったところで、何も解決しないとわかっていた。
第一、事を荒立てたくなかった。
杉村も私が反撃しないとわかったら、飽きてやめるだろう。
杏子はそう思い、耐え抜くことを決めていた。