次の日からも杉村の嫌がらせは、止まることはなかった。
―――またや・・・。
昨日、机の中に忘れて帰ってしまった古典のノートを切り刻まれていた。
『眞中くんに近づくな!』
―――別に近づいてないっちゅーねん!
杏子は、毎日のように嫌がらせされていたが、誰にも相談はしなかった。
黒谷が気づいているかもしれないことは感じていた。
なぜなら、黒谷から「しんどそうやけど大丈夫」と声をかけられたから。
それでも杏子は「大丈夫よ」と笑顔を貼り付け答えた。
杏子は、誰にも心配をかけたくない。
かけてはいけないと思っていた。