「華代ちゃん、何これ!」
「冗談、冗談」
―――送信したら、冗談にならへんし!
華代に呆れていたら、杏子の携帯の着信音が鳴った。
「隆博じゃない?」
杏子がメールをチェックすると、華代の言う通り隆博からだった。
【メールありがとう。杏子も高校生やね。勉強とか頑張ってね。
かわいい写メありがとう。でも、スカート短すぎやで。】
杏子は、隆博からの指摘に思わずスカートの丈を気にした。
―――短い?こんなもんやろ・・・。
「なになに〜ふふふっ、隆博、独占欲強すぎ」
隣でメールの返事を見る華代が発した言葉は、杏子には理解ができなかった。
―――独占欲?なんで隆博くんが独占欲が湧くわけ?
杏子には、一生解けないだろう謎の答えを導き出そうとしたが、やはり断念してしまった。
「ただいま〜」
麗が帰ってくると同時に、華代の携帯の着信音が鳴った。華代は、「来た来た」と嬉しそうにメールを確認していた。
「おかえり〜。お母さん、隆博が夏休みに帰って来るって」
―――隆博くんからだったんだ。
華代が麗に報告しているのを見て、杏子はそう思った。
「へぇ。帰れへんとか言ってたのにね。隆博が帰って来たら、杏子ちゃんも遊びに来てね。喜ぶと思うから」
「うん、私も隆博くんに会いたい」
杏子は、隆博にもしばらく会っていなかったので、会いたかった。
会って、東京生活についても聞きたかった。
「杏子ちゃん、夕飯食べて行ってね。お母さんには連絡しておいたから」
「はぁい」
杏子は、華代の家で夕食後ご馳走になることにした。