「眞中 健一(マナカ ケンイチ)です。特技は空手です」


健一が自己紹介をすると、クラス中から注目された。


その中でも女子は、彼のルックスに目を輝かしていた。


そんな反応を笑顔を作って交わし、席に着いた。


その時、前の席の前田 佳祐(マエダ ケイスケ)が振り返って話し掛けてきた。


「崎山中って、どこにあるん?」


「親の都合でこっちに来たから、この辺の学校じゃないんや」


「そっかぁ。俺、佳祐。よろしくな」


「よろしく」


圭祐の第一印象は、影のない男だと感じた。


本来なら、健一はこういう男は嫌いな部類に入るのだが、圭祐は嫌な感じはしなかった。




むしろ、腐れ縁になりそうな気がしていた。