その後、駅まで一緒に帰り、その道のりの中でお互いに名前で呼び合うくらい意気投合した。


朝とは違い、帰り道は楽しくてすぐに駅に着いた。


「じゃあ、杏子、バイバイ」


「バイバイ、沙知」


気分が落ち込んでいた時期なだけに、この出会いは杏子にとって、とても嬉しいものだった。


―――もっと、お高くとまって話しにくい子かと思ってたのにな・・・。



実際に話した沙知が気さくで話しやすかったことは、それまで勝手なイメージを作っていた自分を悔やませることになった。