「こちらが沙知」


―――顔小さっ!結構背が高いんやぁ。目もぱっちりしててかわいいなぁ。


美穂は、、学年一の有名人の沙知を目の前にして興奮していた。


「原田沙知です。はじめまして」


「江坂美穂です。よろしくね」


「理香は先に行ってるから、行こうか」


杏子の言葉に私たちは、待ち合わしているファミレスに向かった。


「うん」


かわいい顔から出てくる声も言葉も優しくて、美穂は沙知の虜になっていた。


―――私が男だったら絶対に惚れてる!


美穂はそう確信しながら、隣を歩いていた。


到着したファミレスでは、すでに理香が席を取っていた。


「こっち〜!」


大きく手を振る理香に、沙知が「恥ずかしいんやから」と愚痴を零していた。


お互いの紹介を終えて、私はさらにテンションが上がっていた。


4人は初めて話したとは思えないくらい雰囲気で、話が盛り上がっていた。


「そう言えばさ、杉村恵って猿渡先輩と付き合い出したんやってね」


理香が、安心したような表情で話すのを見て、疑問に思った。


「理香は杉村さんのこと知ってるんや?」


「同じ中学やからね」


理香は、口の中のドリアを食べ終わると、沙知にも同意を求めるように言った。
「そうやねん」


そう言う沙知の複雑そうな表情を見て、何かあったことを悟った。