「明日でテスト終わりやな」
「そうやね」
そして帰り道は、今日も一問一答を続けていた。
―――こんな会話意味ないやん。私が、悪いのか。いや、あいつが・・・。
杏子自身も気持ちの変化が生まれていることに、気付いていた。
―――あぁ・・・もう少し素直にならないと・・・愛想尽かされるか・・・。
怒ってばっかりなんて嫌やんね・・・やっぱりかわいい女の子の方がいいよね・・・。
でも・・・
『眞中く〜ん』なんて、あんな甘い声で言えないし!
あれは、絶対に無理!
あの子たちみたいに素直に伝えれたらいいのになぁ・・・。
それの方がかわいいよね・・・。
そういう子の方が好きやんな・・・。
頑張ってみようかな?
少しだけ。
あっ、でも明日は沙知たちと遊ぶんやった・・・。
一緒に帰れないってことは・・・次は、終業式?
うそっ、10日くらい会われへんのか・・・。
明日、とりあえず仲直り?しないとな・・・。
杏子は、健一と別れて電車の中でグルグルといろんなことを考えていた。
あまりにもぼんやりとしていたので、乗り過ごしそうになってしまった。