午前中の授業が終わり、佳祐と学食で昼食を摂りながら、いつものように話をしていた。


「女ってわからん!」


「岡崎ちゃんのことか?」


そう聞く佳祐は、嬉しそうに笑っていた。


「あいつ、何を怒ってるんや?」


「健一も鈍感やな」


余裕ぶってる佳祐に健一は余計にイライラしてきた。


「はぁ?じゃあ、お前はあいつが怒ってる理由がわかるんか?」


「もちろん!」


「マジで?」


健一が身を乗り出したのを見て、佳祐は笑いを堪えているのを見て、さらに苛立った。


「教えて欲しい?」


上から目線の佳祐に対して、健一は従うしかなかった。

それくらい、杏子が怒っている理由を知りたかった。


「教えて下さい」


「じゃあ、焼きそばパンおごれ!」


「了解!」


健一は席を立ち、佳祐のために焼きそばパンを買いに行った。

パンを買う人もまばらになっていて、健一は目当てのものをすぐに見つけることができた。

そして、焼きそばパン片手に走っている健一の姿を見つけた佳祐は、大笑いした。



―――もう、こんなことで笑われたってどうでもいい。とにかく教えて欲しい。


「で、なんで怒ってるんや?」


健一は、身を乗り出し、声を潜めて聞いた。