『眞中健一の昔の姿や!』
黒谷の言葉に杏子は、目を大きく開けたまま、固まっていた。
―――えっ?どういうこと?この写真の子はガッくんやで?
えっ?
この人何言ってるん?
『写真の子』=『ガッくん』=『岩谷健一』=『眞中健一』ってこと?
杏子が何にも答えられないでいると、周りから「苗字が違うやん!」と出た。
「親が離婚して、小学校卒業してすぐに引っ越したらしいで」
―――えっ?その話・・・ガッくんと同じやし。
『ガッくん』=『眞中健一』???
「どう?岡崎さん、あいつこんなデブやったんやで?信じられる?やっぱり整形したんやと思わへん?」
吐き捨てるようにガッくんの悪口を言う黒谷に杏子は我慢できなくなっていた。
美穂は、ただただ聞かされた事実に目を丸くするばかりだった。
「努力もしないで、女の子にモテたくて全身を整形するなんてさ、最低やんな?」
この言葉を発した瞬間、佳祐が「黒谷おまえ・・・!」と黒谷に向かって声を上げた。
佳祐が鬼気迫る表情でこちらに近づいて来るのわかると、アルバムを見ようと集まってきていた群れがさっと散っていくのがわかった。
杏子は、佳祐が黒谷に殴りかかる前にどうにかしないとと思った。