そして、朝を迎えた。
今にも梅雨入りしそうな天気が毎日続く中、今日も例外ではなく、空はどんよりと曇っていて、今にも雨が降りそうだった。
「そうや・・・今日は沙知とケーキバイキング行くんやった」
杏子は、曇る気持ちを切り替え、パジャマから着替えて出かける準備をした。
「杏子、おはよう!」
手を振っている沙知の隣には、手越理香がいた。
彼女は、沙知と並んでも引けをとらないくら美人で、杏子は口を開けてみてしまいそうだった。
「おはよう!」
「昨日話してた、理香。こちらはら杏子」
沙知は笑顔で杏子を理香にに紹介した。
「理香って呼んでくれたらいいから」
そう言って笑う理香は、杏子から見てもとてもかわいくて、男子からの人気があるのも納得できた。
「沙知!早く行こう!私、朝から何も食べてないから、倒れそう!」
お腹を押さえて、お腹が空いているアピールをしているのをみて、沙知と共に杏子も笑っていた。
「わかったよ。じゃあ、行こう!」
―――手越さんって、見た目とのギャップがあるなぁ・・・。でも、なんか仲良くなれそう。
杏子は、新しい出会いに期待をしながら、沙知に付いて、ケーキ屋へ急いだ。
店内に入ると、色とりどりのケーキが並んでいて、3人は目を輝かせた。
「めっちゃおいしそう!」
3人はそれぞれ皿にケーキを持ち寄り、食べ始めた。
「奈緒も来れたらよかったのにね。あっ、杏子、奈緒ってね、私と同じクラスなんよ。また今度紹介するね!」
沙知の言葉に、私も嬉しくて、最近の嫌なことを全部忘れることが出来そうだった。
「じゃあ、私の友達も紹介するね」
杏子は、嬉しそうにケーキを食べながら、二人の顔を見ると、笑顔でいたので安心した。