頬をふくらまして言った、この国の王女はフレア・フレイヤースといい、金色の長いウェーブの髪と黄緑色の瞳をした少女で、ユラと同い年だ。

「まぁまぁフレア、次の授業はちゃんと出て下さいね〜ロイズの授業ですからね〜?」

ルドは微笑むと、フレアに七色サンゴの胞子が入った球体を手渡した。

「うん!もちろんよ、ルド」

フレアがうれしそうに受け取ると、ユラが勢い良く手を上げて言った。

「ぼくも!ぼくもいい?ロイズ」

「え…」

そんな問いに答えられる訳もなく困っていると、遠慮がちにフレイルが手を上げて言った。

「…私もいいですかね?ロイズ」

「…」

ロイズは完全に固まった…

「フィル、寝言は寝て言え…」

イースが冷たい視線を自国の王に向けると、ユラを見た。

「…お前は、いいぞ…」

「え、ほんと?母さん、ありがとう!」

「やった〜ありがとう、イース!いこ〜ロイズ、ユラ」

フレアは球体を大事そうに抱えると、執務室を出て行った。

「まってよ、フレア〜」

「あ…失礼します」

ユラとロイズも後を追うと、執務室を出て行った。