「最終確認をしたいのですが…封印は解除する方向で、いいんですよね?」

「え?ええ、もちろん…」

「…姫の言葉を、本当に信じていいのでしょうか?」

「あ…」

ここに来て、フレイルの心がゆれた。

「…少年…若いのに苦労性じゃな…信じてもらいたいものじゃが…」

どこからともなく、女の声が聞こえてきた。

「マジェンタ姫です、陛下…」

ノイエが緊張すると、背中越しに伝えた。

「おぉ…おぬしは、昨日の魔法士か…仕事が早くて助かるのぉ…」

まがまがしい女の声が、ノイエに話しかけてきた。

「初めまして、マジェンタ姫…私はフレイヤース王国の王で、フレイルと申します…」

「…わしは、アルーシャ王国のマジェンタじゃ…わざわざ足を運ばせて、すまんのぉ…わしのタタリを恐れておるようじゃが、心配はいらん…わしを信じて、くれんかのぉ…?」

マジェンタ姫はささやくように、フレイルに語りかけた…