「フレアの授業も、もう少しで終わりますし、いっそ、この部屋に呼んじゃいますかね〜?」

ルドが、そう提案した。

「そのひつようは、ないわ〜もうきちゃったもの〜」

ルドの執務室の扉が突然開くと、白いドレス姿の少女が入って来た。

「フレア…授業は?」

扉のすぐ近くに立っていたロイズが、たずねた。

「サボってきたわ〜ロイズ、ほうしはとれた?」

フレアはロイズに抱き着くと、たずねた。

「フレア〜バッチリだよ〜」

ユラが手をふって、執務机の上を指した。

「わ〜キレ〜」

フレアは近づくと目をキラキラさせて、透明な球体の中の七色サンゴの胞子をのぞき込んだ。

そしてふり返ると、花のような笑顔でロイズを見た。

「ありがとう、ロイズ!」

「いいえ、フレア様…喜んでもらえて良かったです…」

ロイズは胸に手を当てると、頭を下げた。

「フレアさまじゃなくて、フレアよ?」

「はぁ…」

ロイズは困った顔をして、あいまいに答えた。