「行ってらっしゃい、皆さん…」

ルドは宮殿の正門まで見送りに来ると、魔法騎士中心に組まれた編制隊に向かって声をかけた。

まだ夜は明けておらず、海底は闇に包まれている…

「行って来ます、ルド…後を頼みます」

フレイルが国王の顔をすると、ルドに声をかけた。

「はい…こちらは、お任せ下さい…ムリをなさらずに…イース、引きぎわの見極め、よろしくお願いしますね〜」

「ああ、分かった…」

「気をつけての〜」

クメカは、タツノオトシゴのラギと、モノフ一族のシアンに向かって声をかけた。

「はい…クメカ殿には、いろいろお世話になりました」

ラギはシアンの肩の上で頭を下げると、編制隊とはぐれないように、シアンが用意したバックの中に入った。

「では、出発しましょう…」

フレイルはケースに入ったセーユを肩にかけ直すと、編制隊に声をかけた。



編制隊の移動は体力の温存を考えて、エイの形をしたセーバーという乗り物に乗って、向かう事になった。

宮殿の正門から、4・5人乗りのセーバーが6台飛び出して行くと、魚たちが眠りにつく真っ暗な海底を照らしながら、進んで行った…