「…ロイズ、夜遅くにすみません…」

フレイルはソファーから立ち上がると、申し訳なさそうに言った。

「いえ…」

ロイズは胸に手を当てると、略式の挨拶をした。

「実はですね〜ロイズに頼みたい事がありましてね〜」

フレイルの隣に座っていたルドが、話しかけてきた。

ロイズはこの部屋に集まっている、奇妙な顔ぶれを見て緊張した。

「あの…ですね、ロイズ…少し…いえ、かなり危険な仕事を、頼みたいのですが…」

フレイルは言葉を切りながら、言いにくそうに話しはじめた。

「…なんでしょうか?」

「えっと…ですね…」

なかなか言い出せずにいると、イースがわって入ってきた。

「お前に封印の解除を頼みたい…本来なら、子供のお前に頼む内容じゃないんだが、今は適任者が不在だ…危険を承知で頼みたい」

「…どうして、私なんですか?」

ロイズは理由が分からず、眉をしかめた。

「これを見て下さい…」

ルドはテーブルの上に置かれた本を、ロイズが見えるように差し出した。