−翌日−

「…いいですね〜きれいですね〜見とれてしまいます…」

ルドの執務室に入りびたり、机の上の球体に見入っているのは、この国の王…フレイル・フレイヤース陛下だ。

見た目は25・6才に見え、金色の髪と淡いグリーンの瞳をした青年で、コーラル色の執務着を着ている…

「フィル…いいかげん仕事に戻って下さいよ〜邪魔ですから〜」

フィルとあだ名で呼ばれた、この国の王は悲しそうな顔をすると、うったえた。

「ルド〜あなたも一緒に行かれたのでしたら、私の分も採集して来て下さいよ〜」

「やですよ〜めんどくさい…」

そう言って、ニッコリ微笑んだ青年はルド・アダンテといい、国王陛下を支える三本柱の一人で、魔法省長官を務める大魔法士だ。

黒い髪と瞳をした青年で、長い髪は三あみにしてフード付きの黒いローブの前に下ろしている…

ルドは、もう一度微笑むと言った。

「…執務に戻らないと、イースを呼びますよ〜?フィル」

「すみません…戻りますので、それだけは…」

「ほほほほ…」

フレイルは大人しく従うと、ルドの執務室を出て行った。