「あの、御堂先生?
千明、出ていっちゃいましたけど......」


「放っておきなさい」



放っておけって言われても......。

御堂先生は一切表情を変えることなく、パソコンから目を離さない。


御堂先生は気にしてないみたいだけど、あんな千明、放っておけないよ。



「ミナ、何があったの?
もめ事?」



いきなり日本語で話し出した私たちについていけずキョトンとしている組織のリーダー。

そんな彼を無視して、まだ半分以上残っている点滴の針を無理矢理引き抜き、千明を追って部屋を出た。