―――「彼」の存在を僕が知ったのは、
「彼」が俗塵に塗れた穢らわしい
この世界から消えた3日後のことだ。


「彼」は誰に言葉を残す事なく、暗闇の中に消えた。


僕は考えるんだ。


「彼」の体は消えても、魂はそこに残るのか…ってね。


そんなこと、誰にも分かる筈無いのに。


「彼」の存在は、
日を追うごとに僕を悩ませた。


最大の理由は、名前も知らない、会ったこともない「彼」と、僕とが同じ年だということが大きかったのかも知れない。


少しの興味と、押さえきれない衝動を
心に抱えて、僕はネットの波に飛び込んだ。



見たこともない「彼」の
足跡を辿る為に―――。