重たいからだを無理に持ち上げて、私は室内へ通された。

ここに来る前に、


『グッドラック。』


と3人の男に声をかけられたけど、私は目的も果たせぬまま死んでしまうのだろうか?




「・・さて、どういうわけでここにいる?」


「えっと・・乗る船を、間違えてしまいました。」


「ふんふん、なるほど。」




船長と呼ばれていた男は本当に機嫌が悪いらしい。
適当に返事をして、水を飲み干している。

それに酒くさい。
所謂二日酔いというものだろうか。



「悪ぃがこの船は客船と違って止まらねぇし、戻りもしねぇんだ。言ってる意味がわかるか?」


「?」


「悲運なやつだ。
次の町で降ろしてやりてぇがなかを知っちまった。」


「え?」


「オーロソット号へようこそ。
お前のことは一生雑用として使ってやるよ。」


「え?!!」




船長と呼ばれている男はニヤリと悪魔のような笑みを作って私を見据えた。

彼のブルーの瞳からは冗談ではなく、本気さが伝わってくる。



「精々余生を心置無く楽しめよ?」


「(・・あ、悪魔だ。)」




拝啓 親愛なるオルコット家の皆様



どうやら私は兄さんを連れてオルコット家に帰ることは出来ないかもしれません。