そして今日も、冷めたご飯を食べ、朝食を済ます。


この家に引っ越して、温もりすら一度も感じたことがない。


早く外に出よう。


外の方があったかいんじゃないだろうか。


そう思いながら、学校へ行く支度をする



「いってきます」


しんとした家の中に、あたしの声だけが響く。


玄関のドアを開け、外に出ると、思っていた通り、あたたかかった。


何かから開放されたように、少し気が楽になった。


自然と笑みがでる。


ママはあたしのために毎日、朝早く、夜遅くまで働いてくれているんだ。


だからあたしも………



「ゆーいっ ! 」


「ふあっ ! ? 」


突然耳元で声をかけられ、驚いて勢いよく後ろを振り向くと、学校でも1番仲がいい、あすかがいた。


「ちょっ、そんなに驚かなくてもいいでしょ〜 ? こっちまで驚いちゃったじゃん」


そう言って、ヘラヘラ笑うあすか。


ヘラヘラ笑ってるとこが、あすからしくて、その笑顔が私は好き。


だからあたしも、自然と笑顔になれるんだ。