苦しいほど速くて大きい鼓動に戸惑いながらも、じっと前を見据えれば――







「はぁっ・・・はぁっ・・・はっ・・・・・・」



枝や葉っぱを掻き分けて、1人の男の子が現れた。










ドックン!





心臓が、一際大きな音を立てた・・・と、同時に、風が強く吹いた。







ぶわっと、あたしの肩までの髪と、黄色のワンピースが揺れる。









だけど。



あたしの視線は、意識は、男の子に釘付けになっていた。





不意に現れた、あたしより少し年上のように見える、男の子に。