ぼんやり辺りを見ているうちに、呼吸が整ってきた。



―――でも。



ホント、なんであたし森なんかに来たんだろう。







家から歩いて30分はかかるところにある、大きめの森。




時たま遊びに来ることも、あるにはあるけど・・・あんまり、来ない。


あるのは木だけだし、蚊もわんさかいるし。





なのに、なのに、なんで―――










がさがさっ







「!!!」






不意に、後ろの方から誰かが来る音がして、あたしはハッと振り返った。




ドックンドックンドックン・・・


心臓の音が、やけにうるさい。