それは、泣き出したくなるほどに胸がいっぱいになるものだった。



胸の奥がほっこり温かくなって。

懐かしさに、鼻の奥がつんとした。





もう、本当に、泣いちゃいそう。




あたしは、男の子の背中に腕を回す。



「・・・お帰りっ・・・・・・」





一番。

一番言いたかった、でも、言えなかった言葉。


何よりも大切だった言葉。




やっと、やっと言えた。







「ん・・・ただいま。」



男の子が少し、腕の力を緩めた。




ふわり、柔らく男の子が笑う。






一番。

一番聞きたかった、でも、聞けなかった言葉。