『日代里っ!?
どうしたのじゃ。龍華まで!
今宵は皆を呼び宴じゃろうが、
元気だし。』

水紀は あの事件があった日から
日代里の実家へいき 婿養子となり、
神咒孕当主として神咒孕を支えていた。


「父様、龍華はもうつかれました。

探さないでくださいまし。」


そういうと龍華は
立派な着物を引きずりながら
屋敷からでていってしまった。

『追いかけてくださいまし。
おねがいします。
私は私は、あのこに辛い目を....』

だが、日代里の肩を支える水紀は
一歩も動こうとはせぬ。


日代里。
我が子がかわいくないわけなかろう。

生まれてからあの子は頑張りすぎたのじゃ。
休暇だと思えば 楽じゃろう。
安心せぇ。わしが神咒孕の妖たちに
頼み 龍華を守らせよう。


水紀は 泣きやまない日代里に
そっと囁いた。