「この子ね、最近、彼氏と別れたから落ち込んでるんよ!」


「木村さん!余計なことを!」


なんで、そういうこと言うかな・・・。

しかも、落ち込んでないし!


「うそーっ!奈々ちゃん、かわいいのに」


「その男、見る目ないよ〜」


そんな言葉が飛び交っていたが、私は無視をして目の前の料理を食べていた。


「しかも、今日は奈々の誕生日なんよ!」


みんなの視線が再び私に向くのがわかった。


また、木村先輩は余計なことを!


あぁ、もういいから・・・。


「奈々ちゃんおめでとう!」


「あ、ありがとう」



みんなからの祝福の言葉に戸惑っていると、私の背後から声が聞こえた。



「俺も、今日誕生日なんやけど」



私はその低くて甘い声に体が強張った。