「山口さんっ!」


あたし今呼ばれた?


振り向くと、
「え…八木翼ちゃん!?」

そう…
そこにいたのは、学年1の美人の八木翼ちゃん……

ちょーモテるらしくて、女子にも人気があった。

だから全然遠い存在で、しゃべった事がなかったら、びっくりした。


「あはは。そんな驚かなくても…山口さんっておもしろいんだね^^」

「あ、ははは。八木…さんがいたからびっくりして。どうかした?」

「あ、これ山口さんのだよね?」


そういって出したのは、あたしのポーチ。

「あーっ!それ!!気付かなかった…ありがとうっ!」

それは奈美からもらった大事なポーチで、まさか忘れてたなんて。


「良かった。あと、あたしの事、翼でいいよ。紗和ちゃんって呼んでもいい?」
そうにっこり笑った顔は、とってもかわいかった。


「うん!じ、じゃあ翼ちゃん…」

そんなこんなで、いろいろしゃべってメアドまで交換しちゃった…


「じゃあ、紗和ちゃんばいばいっ!!」

「ばいばい!」


話し終わった後には、もうすっかり溶け込んでいた。


翼ちゃんって話しやすい子だなー…

仲良くなれて良かった。






あたしは嬉しくて家に帰った。