ヒュー、ドーン!



「あ。」

「始まったな。」

座りながらも、綺麗に花火が見えた。

「ほんと、この場所穴場ですね!」

「でしょ?実はこの場所、大学時代に男友達とみつけた場所。」

「へぇ〜。」

ドーン、

花火が打ち上げられていく。

「キレー…。」



好きな人と一緒に花火を見る。


それが夢だった。


「私、七夕のときに書いたこと、叶いました。」

「え?教習所で書いた短冊?」

「はい。8月中に車の免許を取る。って書きました。」

「お、叶ってんね。」

「それと…」

「それと…?」

「好きな人と花火を見ること、です。」


恥ずかしくて、花火の方を見る。

「ずっと憧れだったんです。好きな人と一緒に花火大会に行って、花火を見るの。だから、叶いました。」



「そっか。確かに、叶ったな。」

「はい…。」


私たちはお互いの顔を見た。


「俺は短冊に普通のことしか書かなかったな〜。」

「何書いたんですか??」

「えっとね、一番わかりやすかった!って言われるようになる、とかそんな感じの。」

「あ、それ見ました!覚えてます!若い教官が書いたんだろうな〜とは思ってました。」

「見られてたか。」

「はい♪」

ドドドドン、、


花火が連続で打ち上がる。


「すごいな〜。」

「キレイ…。」