「痛ってー。
ブレーキ壊れてるとかありえねー」
ありえないのはこっちのセリフだよ
好きな人に振られてまさかのこのじょうきょう。
男の子をみると
あきらか怪我したみたいで
あたしは目を手でこすって、
鞄から消毒液とばんそうこを出して、
(柊先輩よく野球で怪我してたからこの二つは必需品だった。でももういらない。)隣におき、背を向けてその場を去ろうとした。
「あ、ちょっとまって、柊(ひいらぎ)
先輩の彼女?」
最悪だ。
10分前はそうだったよ。
あたしは無視してそのまま歩く。
「無視かよ。くそ女。」
彼は小声で言ったつもりでもあたしの耳にははっきり聞こえた。