涼大side



保健室の扉を開けるとそこには
藍倉がいた。

目には今にも流れ落ちそうな涙をためて。



「おっす。」


「…どうしたの。?」


「この消毒液保健室に寄付しにきた。」



「え、それあたしが昨日渡したのじゃん」

「返す機会ないかと思ってさ。」


「普通人から借りたのは返すでしょ」



藍倉は笑って答えるけどその目はどこか寂しそうで。




「ちょうどいいや。これ返すわ。サンキュ」


消毒液を渡すがなかなか受け取らない。

「ううん。もういらないの。
寄付しといて。」


「なんで?まだこんなに中入ってるけど」