「ぇ、帆乃香…」
「なに?」
「今なんて……?」



胡桃がきょとんとした顔で聞いてきた。




「胡桃」
「なに?」

私は胡桃をまっすぐ見て言う。






「全部思い出したよ。陽斗のこと」




そう言ったら
胡桃の顔がパーっと明るくなった。




「ぇ、本当に‼︎」
「うん!」





今日やっとわかったよ。




またあなたに会いたいって思ってたり
あなたの声が聞きたいって思ったり、



それは全て。
まだ君が大好きだから。
愛しているから。






7回ウラの満塁ホームランは
私にとって
あなたを思い出すきっかけになったの。





奇跡の一打。
私は今打った君の
ホームランを忘れない。






7回ウラ。
好打線で7点を追加した。





あと少し。






私は彼に声を届ける。
届くかわからない。

でも、あなたに届けたいの。







「陽斗‼︎がんばれっっ‼︎」









陽斗にとって
私の存在が
少しでも大きくなれば……











また大きくなれば………













大好きだから。