三吉先輩と結城が一緒にいた。


「帆乃香ちゃんになにしたんだよ‼︎」
こんなに真剣に怒鳴る
三吉先輩の声を
初めて聞いた。


「べつに…」
結城の答え。
別にって何?
私はすごく苦しいんだよ……!


それからいろいろ話しているのを聞いていたけど、やっぱりムズムズしてた。


だからおもいきって、ドアを開ける



結城は気づいた。
でも、なんでそんな嫌がる目をしてるの



「み、よし…先輩…っ」
「帆乃香ちゃん⁉︎」



結城を怒鳴ってくれる
三吉先輩が優しすぎて
涙が出てきた。










「…うぜーんだよっ」







また冷たく降りかかる声。









「なっ‼︎」
「うぜーから泣くなよ‼︎」
「……っ!ゆ、結城に私の気持ちがわかるはずないでしょっ‼︎‼︎」



私はまた教室を飛び出して
玄関に行き、
上履きのまま外に出た。






後ろから結城が追いかけてくる。










もうすぐ交差点。
私は赤信号になることに気づかずに
そのまま渡ってしまう。











その途中。










「帆乃香っ‼︎‼︎」
結城の声だ。





あたりに鳴り響くクラクション。










体に衝撃が走る。












周りの音が聞こえない。














今、どうなってるの……?