私が教室に戻ろうとした時



「帆乃香、ちょっと待って」

寿也くんに呼び止められた。


「なに?」
「あの時…一緒にいた男の人…誰?」
「え……」
「帆乃香の誕生日の時にいた人」
「……ひ、秘密」
「お嬢様ってどーゆーこと?」


そう、寿也くんはあの時のことを
しっかりと覚えていた。

「お嬢様……」
「帆乃香…。本当は鳥羽財閥の令嬢なんじゃないの?」







寿也くんにもバレた。
だからと言ってもうどうでもいい。








「一緒にいた人でしょ…」
「そうだよ」
「…執事よ。ただの執事」


それを聞いた時、
寿也くんはホッとしていた。













ちゃんと言った方が良かったのかな…





















『好きな人』だって。