「……か」
「………」
「帆乃香…!」
「ん⁉︎ご、ごめん」

私はぼーっとしていたのか、
胡桃が呼んでいるのに気づかなかった

「えと、んで、なんだっけ?」
「来週、バレンタインだから…」

胡桃の話を聞いて、
バレンタインがあることを思い出した

「うん」
「私の家で一緒にチョコ作らない?」
「え、いいの⁈」

胡桃はニコッと笑って
「もちろん!」と答えてくれた。

「あ、えと、バレンタイン、月曜日でしょ?」
「うん、もしかして、土曜日用事ある?」

胡桃にそう聞かれ
私は予定を思い出した。

「う、うん、ちょっと…」
「じゃあ、日曜日でもいいよ!」
「じゃあ、日曜日で!」
「うん!あ、材料は自分の分、買ってきてくれない?私んとこも用意しとくけど…」
「あ、私のところが買うよ」

私がそう言うと、胡桃はニヤッと笑った

「さっすがお嬢様…」
「や、やめてよね…」
「はいはい、そう呼ぶのは陽斗くんだけだもんね‼︎」
「う、うん///」

私は結城の名前を聞くだけで
ドキドキした。

「顔赤いよ…?」
「ふぇ⁉︎き、気にしないで⁈」


私は恥ずかしくて教室から出た。

「あ、帆乃香ー‼︎」

その声も聞かずに
廊下に飛び出した。