昨日のあの出来事が…、
夢だったらいいのに…。



「ん……」

私は目を覚ました。
いつもとは違う部屋。


「お嬢様‼︎」
「……ゆ、う…き…」
「そうです、大丈夫でございますか⁉︎」

私は一回首を縦に振った。
結城はそれを見て安心した笑顔を
見せてくれた。

「あの…」
「な、に……?」
「…私、胡桃と、付き合っていませんよ?」



それは確実に嘘だろうと思った。



「嘘でしょ、嘘言わないでよ……」
私はそう言って苦笑した。



でも、私の目の前にあったのは
結城の真剣な顔だけだった。



「ゆ、う…き…?まさか、本当なの?」
「はい。まだ友達でございます。あの時の付き合っている。というのは、私と胡桃とで考えたサプライズだったのですよ…」


少しだけホッとした。




「私が、お嬢様をほおっておくなど…」
「……」
「一番に考えているのはお嬢様ですから」

その言葉が嬉しかった。


「…ありがとう」
私はニコッと笑った。

その時に見えたのは
赤く染まった結城の顔。




いつか、この恋が叶いますように…