ーーー映画館についた。

私たちは観たい映画のチケットを買い、
館内に入れるのを待った。

ポップコーンなども買い、
準備はバッチリだ。


私が黙ったままでいたら…

「やっぱり、
この話し方は慣れないですね…」
結城がこっちを向いて苦笑していた。

その笑顔をまた見惚れた。

「ほら、中に入りますよ」

そう言った結城はポップコーンなどが
入っていたカゴを片手で持ち、
私の手を握った。

私も握り返して、結城について行った。


ーーー上演中。


私はすごく感動して、号泣していた。
その時に結城がハンカチを貸してくれた

(やっぱり、優しい…)

また、あのくすぐったい気持ち。

これは何なのか。
何が原因なのか。



恋の正体がわからない今の私には
少しだけ大人な問題だった。