私は教室で
胡桃と誰かが話しているところを
見ていた。

胡桃が教室に戻ってくると…

「か、かっこよかったぁ…///」

(誰のことかしら)

「く、胡桃…、さっき…、誰と…?」
「んー?さっき?」
「うん…」
「結城 陽斗くん」

私はその名前を聞いた瞬間
とても驚いてしまった。


「ゆ、ゆう…き…」
「うん、陽斗くん!帆乃香知ってるの?」
「え、えと…」

(知ってるっていうか……、執事だし!)


「でも、帆乃香、人見知りだもんね」
「え、う、うん…」
「知らないかぁ…」

(し、知ってる……)

「なんか、タキシードきてたし…」
「た、タキシード…⁈」
「うん、どこかの家の執事なのかな」


胡桃って恋したら
こんな人になるんだなと
初めて思った。


「…一目惚れ…///」
「え‼︎⁉︎」

私は席から勢いよく立った。

そのせいでフラッとなってしまった。


「あぶない…」
「と、寿也くん…」

フラッとなったところを
寿也くんが支えてくれた。

「ありがとう…」
「具合悪いんだからゆっくりしないと」
「うん…」


寿也くんはいつも優しい。




たまには、
結城の優しい一面も見てみたいと
この時初めて思ってしまった。