陽斗がいなくなった日から半年。


私宛てに一通の手紙がきていた。



その日、胡桃も私の家に来ていた。


「あら、これ、誰から?」
「…ん…?ゆ、ゆうき…は、る、と!」
「…‼︎陽斗…」

私は急いで手紙を見てみる。










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To.帆乃香

帆乃香。久しぶり。
元気にしてますか?
急にいなくなってごめんなさい。

今、家族と一緒に過ごしてます。
でも、日本ではありません。


家族は今、アメリカにいるので
僕もアメリカにいます。




いつ、そっちに帰るかは
まだわかりません。





それと…僕に、好きな人ができました。
ごめんなさい。
帆乃香とは別れたい。
僕と別れてください。




本当にいきなりですが
僕と別れてほしい。






僕は、君の幸せを願っています。










さようなら。帆乃香。







結城 陽斗
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なに、この手紙…。
アメリカって?
別れようって?




わけわかんない…。



自然と涙が溢れ出る。










別れようって…。
好きな人って…。










それだけ、私が邪魔だった?
私なんて必要なかった?
ただの遊び道具なの?










ねぇ、早く教えなさいよ…っ‼︎










もう、信じられないの…っ‼︎









好きなのに…、もうやだよ……。










胡桃は私が何も言わなくても
わかってくれた。








「…結城くんなんかもう放っておこう。もう、放っておかないと、帆乃香、辛いじゃん。記憶から消してしまいなよ…」
「できることなら、こんなこと嘘だって思いたいよ!…だから…。諦めたくても諦められないの。でも…、私、もう、忘れようとしてる」

「…え?」

「思い出したくない。だから、もう忘れるの。私は陽斗を応援する」




こんなこと本当は思ってない。











だけど、忘れでもしないと、












私はまた陽斗にすがる。











もう、心配はかけたくない。
だから、















もう、忘れるの。



















ばいばい。陽斗。