一人一人がいろいろな思いを背負って
のぞむ初戦。


それは、私たちにとって
大事な初戦。




「プレイボール‼︎」
審判のその声とともに
試合が開始された。


私たちは後攻だ。



メンバーは
1番:ライト
坂城寿也(1年)

2番:ファースト
朝長眞幸(ともながまさき)(3年)

3番:ショート
宮川翔太(3年,主将)

4番:ピッチャー
結城陽斗(1年)

5番:キャッチャー
三吉隆弘(2年)

6番:サード
長谷川颯(はせがわはやて)(3年)

7番:センター
山本多樹(やまもとたき)(3年)

8番:セカンド
玉井瑠希(たまいりゅうき)(3年,副主将)

9番:レフト
谷口浩司(たにぐちこうじ)(3年)


というメンバーだ。


1回表は無失点だ。
1回裏。
彼らたちは一挙5点を入れた。

2回から5回まで
点差が縮んだり開いたりすることなく、

6回裏。
彼らはまた5点を追加する。

7回表
ツーアウト3塁のピンチ。
陽斗は踏ん張って
0点に抑えた。

7回裏。
3点を追加し、
ツーアウト2.3塁。
今度は相手のピッチャーが踏ん張り
この回3失点だけで抑えられた。


8回表。
陽斗の頑張りにより、
三者凡退。

8回裏。
また3点を追加。


そして、9回表。
この回を16点までに抑えれば…
彼らの勝ち。


私はその様子をベンチから見ていた。




まず1人目。三振。
そして2人目。三振。






最後の1人だと私は信じたい。





ツーアウトツーストライク。




(ぱしっ




私が聴いた音は
前にも聞いたことのある
キレのいい音。




キャッチャーミットに
ボールがおさまる音。








試合終了。
16-0で
初戦突破した。





陽斗と寿也くんにとって、初の甲子園。
そして、夢の舞台で
初めて快く歌う校歌。









今日はひとまず勝てた。






でもまだ先がある。





そこに向かって、
今日の反省を宿舎で行った。








目指す場所は一つ。








去年と同じ場所に立つこと。








それが今の彼らの















本当の夢だった。