「洸ちゃん。ありがとう」




保健室を出た後、洸ちゃんに手を引かれるがまま私が入ったのは、2-Aの教室だった。




今は水泳の授業中だから、2人以外誰もいなくて静かだ。




開けっ放しにされた窓から風が吹いて、ゆらゆらと揺れているカーテンを私は見た。




でも洸ちゃんが話し出すと、視線を洸ちゃんへ戻す。





「その呼び方やめて。もう付き合ってないんだし」




洸ちゃんはそう言うと、教室を出ていこうとする。