洸ちゃんは私達に話す隙も与えず、私の手を掴むと無言で歩き出し。



そのまま保健室の入口まで行くと玉川君のいるベッドの方を振り返り、無愛想に言い放つ。





「また橘さんに同じような事したら、彼女に言いつけるけど良い?」




久しぶり聞いた声は「涼花」じゃなく違った呼び方をしたけど、そんな事なんて気にならないぐらい言って貰えた事が嬉しくて、私は握られた手に力を入れた。





そうして再び握り返された手は、心地良くて暖かかった。