玉川君は私の太腿がある付近に制服のまま座って、私を見ている。





「1限目水泳だけど俺どうせサボるから。橘が気絶したの見て運んだ」


「そうなんだ……ありがとう、玉川君」





そして、顔をむすっと不機嫌そうにするとじっと私を睨んだ。





「ねぇ、その名字で呼ぶのやめない?名前で呼んでよ」


「え、何で?」


「呼ばれたいから!」





玉川君って、よく分からない。


相沢さんの事が好きな癖に、何で私にこんな事言うんだろう。







「優希に頭突きされた?ごめんな、痛かったろ」





今度は真面目な顔で心配そうに頭を撫でてくる玉川君の事が、私には理解不能だった。