「へ、へー。そうだったんだ」




玉川君に返事をしつつ、私はこれから相沢さんの言葉を素直に信用しちゃだめだと思った。




(けど、私に頼むって事は玉川君が相沢さんに答えないって事だ。何で玉川君は答えないんだろう)






「ごめん、また変な事に巻きこんじゃったな」


「いや良いんだよ、別に……」


「橘、失恋したばっかなのに」





申し訳なさそうに謝る玉川君はじっと私を見ながら手を伸ばし、そのまま頭を撫でてくる。




まるで子供をあやすようにされて、少しドキッとする。




(いやいや、ドキッとしている場合じゃない。こうなったら話は早い。相沢さんの為に聞かないと)





「私なら大丈夫だよ。ウジウジするのも好きじゃないし。というか玉川君、相沢さんがその事で不安がってるみたいなんだけど……相沢さんの事好きだよね?女の子として見てるよね?」